STORY
krsna

この物語について
この物語には、私自身の実体験も含まれています。
家族と離れ、日本で勉強や仕事に励む日々の中で感じた感情や想いを、作品の中に込めました。
特に、家族への想いや孤独、不安、そして夢に向かう強い気持ちが反映されています。
この物語は、私自身の心から生まれた、大切な作品です。
最後の瞬間に見たもの
死――なんて恐ろしい言葉だろう。そう思いませんか?
でも…
この人生の究極の真実は、ただ悲しいだけではなく――どこかお祭りのようでもあるのです…!🎇
時計がちょうど8時を打とうとしていたころ。
僕たちは夕食を終え、翌日に観る映画について話していました。
IELTSの準備中で、先生から英語の映画を観るように言われていたのです。
僕は今までに『ソウルメイト』、『2012』、そして『我が家はどこに』の3本しか観ていませんでした。
そんな話をあれこれしているうちに、朝になってしまいました。
突然、近くからパトカーのサイレンが鳴り響き…
無線からも声が聞こえてきました。
部屋の中、ドアの近くに、友人が涙を浮かべた赤い目で立ち尽くしているのが見えました。
僕は急いで立ち上がり、聞きました。
「おい、どうした? 聞こえてるか? なんで黙ってるんだ?」
彼の肩に手を伸ばして揺さぶろうとした――
でも、その手は彼の身体をすり抜けてしまったのです。
彼はただ、僕のベッドの方をじっと見つめながら、静かに涙をこぼしていました。
僕もゆっくりと視線をそちらに向けると、そこには――
青と黄色に変色した、自分自身の身体。
大きく見開いた空っぽの目が天井を見つめ、なんともおぞましい光景でした。
周囲には人々が集まり、ざわざわとした空気の中――
「可哀想に…😞」という声や、
「この遺体、どうする? 誰に連絡するべき?」という心配の声が聞こえてきました。
身体はまだそこにあるのに、僕の意識はもう――
ずっと遠くの、あの古い家に戻っていました。
「死んでもすぐには感覚が消えない」というけれど、
僕の心は、両親のもとへ引き寄せられていたのです。
まだ気づかないまま、荒れた手とひび割れた爪で、
僕のために夢を一つまた一つと積み上げている――
まるで、2015年の地震で崩れ落ちる直前の塔のように…。
父の顔を思い出しました。白髪が混じりはじめた髭。
そして母の顔――45歳とは思えないほど老けて、
働きすぎと睡眠不足、飢えと子どもへの心配に刻まれたシミだらけの顔。
そのとき、母の古い携帯電話が鳴り出しました。
黒い輪ゴムでまとめられたその携帯を、母が手に取りました。
「もしもし…」
その後、電話の相手が何を言ったのかはわかりません。
ただ、母の手から電話が滑り落ち、彼女が床に倒れ込んだのです。
「ママ…!」
僕は叫び、駆け寄ろうとしました。
でも――そのとき、壁の時計の音が聞こえてきました。
カチ…カチ…カチ…
時刻は午前4時53分🕓
その瞬間、僕は気づいたのです――
夜は、もう「ただ寝るための時間」ではなくなったことを。
それはもう、子どもの頃に知っていた「ただの暗闇」ではない。
今は、静かに深く考える時間、
そっと涙を流す時間、
自分自身と対話する時間、
そして、自分の一番暗い気持ちを夜の闇に語りかける時間となったのです。

あの人はまだ生きていると思いますか?